虫歯治療
MEDICAL DEPARTMENT
目次
一度削った歯、失った歯は二度と元には戻りません。
生涯にわたりご自身の歯で食事をすることは、これからの充実した生活に深く影響します。
当院では「なぜ虫歯になったのか」「二度と虫歯にならないようにどうするべきか」を患者様と共に考え、アドバイスします。
そして、虫歯の原因となる細菌を減らし、お口の環境を整えてから治療を開始します。
ご自身の歯を長く残すためには、できるだけ歯を削らない・抜かないことが大切です。
どうして虫歯になるの?防ぐにはどうすればいい?
虫歯の原因は、食生活の乱れ・口腔内のケアが不十分であることのほか、「個々が持つ歯質の強さ」と「食事などで摂取する糖分」と「お口の中の細菌」の3つの要素に時間経過が加わることと言われています。
磨き残しなどにより歯の表面に歯垢が付着すると、歯垢に含まれる細菌が糖分を分解する際に酸を排出し、歯質を溶かして虫歯ができます。
当院では個々の性質に適した治療・予防方法を考えた「予防プログラム」を歯科医師のもと、担当の歯科衛生士が精密な検査後、ご提案いたします。
歯質
歯質の強さは生まれ持ったものであり、一人ひとり異なりますが、その差は虫歯のかかりやすさに顕著に現れます。元の歯質が弱くても、よく噛んで唾液量を増やして溶けた歯質を元に戻したり、フッ化物を利用して歯の再石灰化を促進するなどの対策で歯質強化ができます。
糖分
食後はお口の中が酸性に傾くことから、虫歯ができやすい状態です。間食はだらだら続けるのをやめて「時間を決める・おやつは無糖/砂糖少量のものを選ぶ」など、健康に考慮した食生活を意識して選択することは、虫歯予防にも効果的です。
細菌
口腔内には腸と同様に善玉菌と悪玉菌があるほか、400種類ほどの細菌が存在します。細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増えると虫歯菌の勢力が強まり、クラスターを発生させ、虫歯になります。歯磨きを正しく行い、汚れをしっかり除去して虫歯菌の増殖を防ぎましょう。
虫歯の進行状況別の治療内容
虫歯は急に進行するわけではなく、長い年月をかけて徐々に進行していきます。ごく初期の段階を過ぎてしまうと悪化の一途をたどります。歯は一度悪くなってしまうと、もとの状態には戻らないという認識が大切です。歯科医院では、虫歯の進行状況にあわせて、それぞれCO⇒C1⇒C2⇒C3⇒C4という記号で虫歯の進行状態を表現していきます。初期の段階であるCO(経過観察)の段階であれば、処置をすることで歯を削らずに自然治癒(再石灰化)させることができます。しかし、それ以降のC1~C4の段階になってしまいますと、歯科医院にて治療が必要となってきます。
虫歯はこうして進行します
CO:初期の虫歯
歯の一番外側のエナメル質が溶け始めた段階です。白く濁っていたり茶色っぽかったり、少し歯にツヤがなくなります。着色かな?と色の変化に気付いて来院される方もいらっしゃいます。穴があいているわけではないので、痛みなどの自覚症状はありません。この段階であれば、再石灰化の作用で健康な歯に戻すこともできますので、削る治療は行わず経過観察することの方が多いです。ご自宅での適切なブラッシングとともに歯科医院での定期的なフッ素塗布などで、虫歯が進行しないようにケアを心がけます。
C1:軽度の虫歯
COよりエナメル質がさらに溶け、黒ずんでいる状態です。COに比べて黒っぽいので、鏡で見たときに「あれ?虫歯かな?」と気付く人が多くなります。それほど強い痛みは起きにくいのですが、冷たいものでしみることもあります。この段階からは治療が必要となり、虫歯になってしまった部分を削って、白い詰め物(歯科用プラスチックレジン)で修復していきます。削る量は少ないので、1回の治療で修復が完了します。エナメル質は痛みを感じない組織なので、麻酔なしでも治療することが可能です。
C2:冷たいものがしみる中等度虫歯
エナメル質の内側にある象牙質まで虫歯が進行した状態です。象牙質は痛みを感じる組織なので、穴があいたところにものが詰まって痛んだり、冷たいものや甘いものでしみるようになったり自覚症状が現れます。治療としては、麻酔をして虫歯になった部分を削り、その範囲に応じて白い詰め物(歯科用プラスチックレジン)やインレー(詰め物)で修復していきます。
C3:ズキズキ痛む、強くしみる虫歯
象牙質よりさらに虫歯が進み、神経の部屋まで虫歯が達してしまった状態です。こうなると神経が菌で侵されているので特有の強い痛みが出てきます。冷たいものだけでなく熱いものがしみるようになったり、眠れないくらい激しくズキズキと痛んだりするようになります。虫歯の部分を削ることはもちろん、汚染された神経も取り除く必要があります。神経除去治療は肉眼では見えない手探りの根気のいる治療(※根管治療)になります。そのため、通院回数は数回かかり、C3以降の治療は長い治療期間をともなった治療となります。そして、神経除去後は歯が非常にもろくなりますので、最終的にはかぶせ物を装着することになります。
※根管治療とは歯の神経治療のことを言います
むし歯菌に感染した根管内にある神経や血管を除去し、消毒後、薬剤を充填してからほてつぶつを装着することで歯根を残す治療方法です。
C4:末期状態の虫歯
歯の大部分が虫歯になり、見える範囲は溶けてなくなってしまった状態です。以前治療した歯の詰め物、かぶせ物の隙間から再び虫歯になり、C4に至る場合もあります。神経が死んでしまっているので歯の痛みはなくなりますが、神経の部屋のさらに奥の根っこ部分が感染され、膿が溜まります。細菌はその間にも徐々に奥深くへと進行していき、膿が溜まると歯を支えている骨が溶け出すため、強い痛みが出たり顎や歯ぐきが腫れたり、さまざまな症状が現れ、隣の歯にも影響が出始めます。そのまま放置した場合、最悪「顎骨骨髄炎」や「口底蜂窩識炎」といった命にかかわる病気を引き起こす可能性がありますのでご注意ください。このように、虫歯を取ったらほとんど歯がなくなってしまう場合や、治療しても長持ちしない場合などでは、やむを得ず歯を抜く必要があります。歯を失った後の治療法として、入れ歯、ブリッジ、インプラントなど、患者さまのお口やお身体の健康状態、ご希望に合わせて最適な治療法をご提案し、噛む機能を回復させます。
1本でも多く歯を残すことが、全身の健康につながる
歯は一度失うと二度と元には戻りません。 歯を失えば失うほど食べられるものが減り、食事の楽しみは半減します。 食事の楽しみは生活の質において非常に重要な要素であることは言うまでもありません。 生きることは食べることです。そのためにも今ある健康な歯を守りましょう。
オーラルフレイル=口腔機能の低下=社会生活への影響
食事に関わる口腔機能の衰えをオーラルフレイルといい、衰えを防ぐことが、これからの社会生活に深く影響します 歯の喪失により噛めない食品が増えることで、食への欲求・関心が減少し、それまで楽しみだった家族や友人との外食が億劫になり、自宅でばかり食事をするようになる。 このような心身機能、社会性の低下は、オーラルフレイルを進行させ、柔らかいものを好んで食べるようになると、噛む機能が低下していく…という負の連鎖が始まり、 この連鎖は、慢性的な「低栄養状態」と、全身に及ぶ「筋力の低下」を引き起こし、口腔機能の低下は身体的な衰えだけではなく、精神的・社会的な側面にまで影響を及ぼします。
当院では保険の範囲内、保険の範囲外、様々な種類の詰め物、かぶせ物を取り扱っております。
それぞれの素材のメリットやデメリット、見た目や耐久性などについても詳しくご説明し、ご納得できる治療の選択肢ご提案致します。 金属アレルギーが発症するリスクがない安全な治療として、ジルコニアやセラミックなどの金属ではない素材を使用した治療も行っております。 お気軽にご相談ください。
「プロフェッショナルケア」と「セルフケア」で虫歯を徹底的に予防しましょう
虫歯治療後は、定期的に歯科医院で行う「プロフェッショナルケア」と、ご自身が毎日行う普段の「セルフケア」の2つが重要なポイントです。常に再発のリスクがある虫歯・歯周病は、再発・治療を繰り返すことで、最終的には歯を抜かなければいけない事もあります。どちらか片方のみのケアを行っていれば大丈夫というわけではなく、両方を行うことで、予防歯科の効果は大きく発揮されます。ですが、もし虫歯になってしまった場合も早期発見・早期治療できるよう、定期検診にお越しください。
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